今の子どもたちが抱える課題
現代の子どもたちは便利で安全な環境の中で育ち、挑戦や競争を避けても生きていける社会になっており、学校や習い事でも「みんな仲良く」が重視されるため、勝敗や悔しさを体験する機会が少なくなっています。
もちろん安心して過ごすことは大切ですが、その分「負けて悔しい」と思う経験をしにくく、粘り強さや挑戦心が育ちにくいという側面もあります。
「負けず嫌い」の本当の意味
「負けず嫌い」とは、ただ意地を張ることではなく、悔しさをバネにして「次はもっと頑張ろう」と前に進む力です。
子どもが試合や練習で負けて泣くのは、本気で取り組んだ証拠。
その瞬間に親がどう受け止めるかで、悔しさが次につながるか、ただの嫌な思い出で終わるかが変わってきます。
親ができる関わり方と声かけの工夫
前向きな声掛け
・悔しさを受け止める
- ✕「泣かないの!」
- ○「悔しいんだね。それだけ一生懸命頑張ったってことだよ」
・結果より努力をほめる
- ✕「勝たなきゃ意味ないでしょ」
- ○「最後まであきらめなかったね」「前よりも動きが良くなってたよ」
・次につながる問いかけをする
- ✕「なんで負けたの?」
- ○「どこをもっと練習したら次は勝てると思う?」
・比べるのは他人ではなく過去の自分
- ✕「○○ちゃんには勝てなかったね」
- ○「前より速く走れたね」「今日は強いボールを打てたね」
・挑戦を見守る姿勢を持つ
- ✕「あれをやれ、こうしろ」
- ○「思い切ってやってごらん」「お母さん(お父さん)はずっと応援してるよ」
NGワード集 ― 子どもを萎縮させる言葉
・「どうしてできないの?」
→ 改善例:「どこが難しかったかな?」
・「そんなことじゃダメだ」
→ 改善例:「ここまでできたのはすごいね。次はここを伸ばしてみよう」
・「○○くんはできてたのに」
→ 改善例:「昨日の自分より成長してるよ」
・「もうやめたら?」
→ 改善例:「大変だけど、あと少し続けてみようか」
・「勝たなきゃ意味がない」
→ 改善例:「勝ち負けも大事だけど、今日の頑張りもすごかったね」
親自身が「背中」で見せる負けず嫌い
子どもは親の言葉だけでなく、親の行動からも多くを学びます。
例えば、親が仕事や趣味で失敗しても「悔しいけど次は工夫してみる」と前向きに取り組む姿を見せれば、子どもは自然と「挑戦し続けることの大切さ」を感じ取ります。
・スポーツ観戦中に「負けても最後まで戦うのがかっこいいね」と伝える
・家庭で「昨日より早く料理できたよ」「今日はうまくいかなかったけど次は工夫するね」と小さな挑戦をシェアする
・自分の努力や失敗を隠さず話す
こうした日常の背中こそ、子どもにとって最高の教材です。
負けず嫌いは未来の力に
負けず嫌いは、経験を通じて育つ「心の力」です。
子どもが悔しがる姿を見たとき、親は胸が痛むものですが、その気持ちを否定せずに認め、努力を励まし、挑戦を応援することで「負けを力に変える子」に成長します。
そして親自身が挑戦する姿を見せることで、子どもは「悔しくてもあきらめない心」を自然と学んでいきます。
悔しさを乗り越えて挑戦を続ける経験は、スポーツだけでなく、勉強や将来の人生でも役立つ一生の宝物です。
親子で一緒に「負けてもまた立ち上がれる強さ」を育んでいきましょう。




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